ハート形土偶への幻想
去年の暮れに公開した遮光器土偶がちょっと好評だったので、もう一作、手元にある土偶の写真を公開します。
ハート形土偶。縄文時代後期に作られたもので、実物は群馬県東吾妻町郷原遺跡より出土、現在は東京国立博物館(台東区上野公園)に展示されている。
これはその精巧なレプリカをモデルにして、僕が作った作品です。
粘土は植木鉢と同じテラコッタ。制作当時、まだ野焼きの方法を知らず、川砂を混ぜずに成形していました。途中で「川砂を混ぜておけば野焼きができたのに」と知らされて、少しがっかり。けっきょく電気窯で焼いてもらったため、色があまり土偶らしくありません。また、実物はもう少しとぼけた表情をしているのですが、これはややきつめの表情になりました。
横から見たところ。写真の出来が悪いですね(苦笑)。高さは30cmぐらい。
後ろから見たところ。実物にはもっと細かい文様がこれでもか、とばかりに描かれています。細身なので、先日紹介した自作遮光器土偶と比べると、かなり軽いです。ハート形の顔は実は仮面を表しているのでしょうか? 後頭部が二つあるように見えます。
レプリカとそっくりに作ったわけですが、御覧のとおり、平らな顔を支えている棒状の後頭部(?)のてっぺんに欠けた跡が見られます。そこで僕は「この上にまだ何かがくっついていたんじゃないか?」と、推理しました。例えば…………。
もう一つ、顔が載っていたとか……。
子供の頃、〈三面鬼〉の写真を雑誌で見て、「昔はホントにこんなものがいたのかー!?」と、戦慄を覚えたものですが、これはさしずめ〈二面鬼〉ですな。
あるいは…………。
小林幸子か、宝塚歌劇団ふうの、トサカみたいな飾りがついていたとか…………。
デザインが複雑過ぎて、割れてしまったのではないか、と――。
しかし、土器土偶作りの先輩に当たる方(考古学にもわりと詳しい)にこの説を語ったところ、「いやー、そりゃあねえよ。(棒状の)てっぺんがちっとんべえ欠けただけだろう」と、軽く一蹴されてしまいました。
単なるおれの幻想なのかな?
遮光器土偶も王冠のようなものを被っていたから、ハート形土偶が何か被っていたとしても、不思議ではなさそうなんだけど。 (WKE)
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